自然栽培講習会の懇親会の席で

image

山中史郎さま

先日、井原市内での自然栽培講習会(講師・道法正徳氏、主催・自然派クラブ ひだまりジョジョ農園)全3回が終わりました(写真は2回目に行われた井原市青野地区での現地講習)。メイン会場となったアクティブライフいばらの多目的学習室は毎回満席状態で、様々な立場の非常に熱心な方々が「自然栽培」(=植物自身がもつホルモンの働きを活性化させることを第一とした栽培技術)を学んでいました。もちろん、ぼくもその一人としてすべての回に出席しました。

最終回の講義の後、すぐ近くの居酒屋で懇親会がありました。地元井原市から講習会に参加していたのはほんの一握りで、多くは遠方から来られていたにもかかわらず、半数以上の方が出席されていたのではないでしょうか。たいへん盛り上がりました。

それぞれの席でいろんな話が出ていたのだろうと思いますが、この講習会をきっかけに、ぼくのまわりでは少なくとも2つ、重要なことが動き出すことになりそうです。

1つは、ひだまりジョジョ農園さんが、講師である道法さんに正式に弟子入りし「自然栽培」を学び普及していく井笠支部を立ち上げることになりました。「井笠」とは井原市と笠岡市をあわせた古くからある地域の呼び名です。

今のところその支部に属するのは、ひだまりジョジョ農園さんとぼくらなので「ぶどう」、それも「(ワイン用)ベリーA」の栽培実践が一つの軸になるかと思います。ワイン用のぶどうを自然栽培の技術で作るとなると、やっぱり「ビオワイン」をターゲットにしたいところですね。

「自然栽培」技術はワイン用のぶどうを作るためだけにあるわけでないです。ひだまりジョジョ農園さんは時代や地域の状況に対して高い意識をお持ちだし、ぼくの周りにも地域での自給的な農業を志す友だちもすでに何人かいます。数年内にはお米、野菜作りの農家も参加して、広い意味での有機農業を担う多様なメンバー構成になるのではないかと期待しています。

地域で安心・安全な農産物が作られ、地域の飲食店や民宿がそういった素材を手に入れ食事を提供するようになり、その中に当たり前のようにこの地で作られたワインがある、そんなことが実現すればいいなあと思います。

懇親会でのもう一つの話題はまさにそこに関わります。つまり、井原市をワイン特区化することに向けて。前回の投稿にも登場したとあるカフェ、井原にある「耕せカフェ・ハーベスト」のマスターと、これがどうすれば盛り上がるのかを熱く語り合いました。

まずは「井原市をワイン特区化する委員会(仮称)」を開いて、ぶどう・ワイン生産者だけでなく、地域の飲食店、ワイン好きな消費者、市議会議員、地域おこしに関心を持つ地元企業、そして行政の担当部署の方など、いろんな立場の人が集まって夢を語り合って、地域でワイン特区化の機運をワイワイと発酵させていこうじゃないかと。

それと「生産(ぶどう・ワインを作る)」「協力(技術・農地を提供する、ワインを売る)」「支援(出資する、ワインを飲む)」など、ワイン特区化への具体的な関与のあり方ごとの賛同者リストの作成、相互のマッチングとかどうだろうと。

企業が地域農業に参入して、単独で事業をおこし、それをもって農業地域の再編をする、というのは国が描いている1つの方向性です。しかし、つくづく思うのは、農業は経済的な体力を当てにするだけでは、うまくいかないんじゃないかということです。ナゴミカル自身はもともとそういう体力を持ち合わせてはいませんが(笑)

農業は本来そのエリアに降り注いぐ「お天道様」のエネルギーや「水」をどう形にするか、それを地表に身体として存在している者たちがどう発酵(わき)起こすか、それが始点であり終点でもある。その意味で、小さな個人がお互いを突っつき合ってワイワイとやっていく、そういう開かれた状況を作る、というやり方もありじゃないでしょうか。案外そんなところから、何でも生まれくるんじゃないかと思います。当たり前のことなんでしょうけど、今回の動きはそれに則っているようで、迷いのない感じがしています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください